FSU 工法は、以前から開発してきた、FSB 工法と同じですが、FSB が商標登録 されてあり、今後使用し続けることは問題があると判断して改称しました。
 FSB:forest stock in building FSU:forest stock in urban space

① FSU 工法の現状の構成と構造形態

FSU工法とは105〜120(以上)角の柱と同寸の角材を写真のように立て並べ、角材に開けた穴に密接する鋼材(16φ)数本で連結した805㎜幅の壁パネルを柱間に挿入して柱と横架材に固定して耐力壁とする木造軸組金物工法です。

在来工法とFSU工法との比較

  • 在来工法の構成
    • 耐力構成-筋交い又は合板
    • 横架材との接合-臍仕口接合
    • 柱との接合-筋交い金物等・合板に釘又はビス打ち
    • 柱間-空洞もしくはグラスウール等の断熱材充填
    • 壁面形成-内外に面材必要
    • 外壁防火構造-内部石膏ボード貼り必要
  • FSU工法の構成
    • 耐力構成-角材連結パネル
    • 横架材との接合-ホールダウンパイプにピン(金物工法)
    • 柱との接合-薄板金物(又は添え柱やコッター)ビス打ち
    • 柱間-木材(角材)充填(角材間に雇実で水密気密確保)
    • 壁面形成-内外に面材不要
    • 外壁防火構造-石膏ボード貼り不要
    • 木材使用量-在来の3~4倍

    

②FSB 工法汎用化のための法的整備

  • 外壁壁躯体のみで、国交省の30分の防火構造の認定を取得済
  • 確認審査機関で構造外壁の評定取得済
  • 外壁躯体に杉下見板貼りで60分の準耐火構造壁認定取得済
  • 木造準耐火構造外壁及び耐火区画壁の認定取得済
  • 3階建て特殊建築物や内部躯体表しの木造準耐火建築物可能

③工法の建築的特性

  • 軸組構造外壁と間仕切りで 60 分耐火認定を得ているので、防火地域以外 の市街化地域で、木造軸組み躯体現し木造準耐火構造が3階建て3000m2以内の公共建築・特殊建築物等で実現可能です。
  • 部材はプレカットやパネル工場で事前加工入されて建て込むため、木材量が多い(従来木造の3~4倍)わりに手間が少なく、慣れれば在来工法より短工期で割安に建てられます。
  • 建込みも屋根パネルまで 2,3 日ですみ、サッシさえ取り付ければ、外部から水密気密を確保した木造スケルトン空間が短工期で実現可能です。
  • 職人不足解消のため、部材の殆どを最初から工場加工とし、現場での職人の内部作業を少なくしています。
  • 解体と部材の再使用を容易化するために考えられた工法なので、部材は循環型単一素材の一般流通部材(木材)での単純な構成になっており、資本投下することなく、全国どこでも誰でも生産が可能です。
  • 壁パネルは芯々910 mmの柱間に入る幅のモデユールになっていて、外壁とピンを外して横架材を持ち上げると全ての壁パネルが取り出す、全解体が可能になり、その部材(壁パネル)を他の現場で再使用できます。
  • 横架材を残したまま壁パネルだけを取り出す、部分解体も事前加工で一手間施しておくことで可能になります。
  • 居住性では熱容量が高いため、一度温めたら冷めにくく、高い調湿機能のため、過乾燥やじめじめしない内部空間となります。
  • 空間は躯体現しの場合、化学物資の少ない健康的な空間となります。 木だけの空間にくどさを覚えたら、内部に和紙クロスの直張り仕上げも可能です(主事判断にもよる)。

  

④なぜ環境負荷削減型建築になるのか

  • 化石燃料を消費して輸入される外材ではなく、各地の杉を大量使用して林業を活性化し、森林整備を促し、二酸化炭素の吸収を促進させます。
  • 循環型素材である木材で建築の殆どを構成するため、生産と廃棄に大量のエネルギーを消費し、防火規制等で強いられる新建材使用を削減し、 エネルギー消費と廃棄物の排出を極力削減します。
  • 平均 30 年弱で解体廃棄や焼却される住宅も、部材として再使用できる構造にすることで、使用木材の生育年数以上の部材使用が可能な構造のため、廃棄物と二酸化炭素の排出を削減し、固定延長をさせます。
  • 本工法の部材の使用状況の全情報を集約管理し、そのための費用を施工者とパネル製作者に負担いただき、情報公開することで、他の人が再使用可能な仕組みとなり、情報不足による廃棄や焼却を防ぎます。

⑤工法の変遷

  • FSU工法は、2011年の東日本大震災の応急仮設住宅(59戸)の提案から開始
  • FM工法やDEWS工法(木材の大量使用と再使用を期待して120㎜厚の集成材を立て並べて内外の壁を同時に形成する工法)を参考に開発
  • 盛岡市が被災地に寄贈する仮設の集会所に採用
  • 釜石地方森林組合の仮設事務所に採用し、その二階をモデルルームに
  • 戸建ての再建住宅に採用
  • 市街地の防火規制に対応するため、岩手県森林組合連合会と共同で、改良して、構造耐力試験を行い、建築確認審査機関でその構造評定を取得
  • 30分耐火の試験を受け、防火構造の認定を取得
  • 県外でも建設
  • 釜石地方森林組合の事務所建設。但し、仮設事務所の解体部材を再使用不可
  • 建設会社が事務所として再活用。隣には本工法での宿舎も建設
  • (一社)岩手県建築士事務所協会と、林野庁の助成金で実際にこの工法で建て、それを解体移動し、もう一度建てるという、解体部材の再使用の実験
  • 福島、宮城、岩手の三県の木材関係者の復興会議で発表
  • (一社)岩手県建築士事務所協会と岩手県森林組合連合会と連携して、準防火地域等でも3階建て3000平米の公共建築等の特殊建築物の木造躯体現しが可能な60分耐火試験を、2016年9月合格し、その構造での耐力試験も行い各種データも揃え、構造評定と準耐火構造壁の認定取得
  • 集会場やこの工法をテーマに研究論文や卒業論文等、研究対象に
  • (独)建築研究所の方がこの工法の変遷をテーマに建築学会の論文に
  • 開発した設計者も建築学会にFSB工法概論として2014年に発表
  • 他府県では本工法で栃木県の那須町や兵庫県の伊丹市でも住宅建設
  • 陸前高田市の森林組合事務所も17年1月末建築完成
  • 茨城県の牛久市、東京都杉並区でも工事中